飯塚 千晴

経営的な視点においても人権問題は無視できない。

メディア・コミュニケーション・文化メジャー/経営学マイナー 飯塚 千晴 教養学部4年 国際基督教大学高等学校卒

先生の言われる「同質性」はとても怖いと感じます。これは日本だけではなくて、世界中で起きている現象ですね。経営の視点から述べると、コストと企業の収益という点でそれは避けられない考え方だということはよく理解しているつもりです。ただ「本当にそれでいいのか」と悩んでいることも事実です。現場で実際に働いている人々の文化的背景や人権の問題が、そこで必ず表出することは予想できますし、資本主義社会において、単純に「安価な労働力」を求めるだけの経営を私はすべきだと思えません。

ただ、一方で企業間の競争が激化していけばいくほど、経営的な立場から「安価な労働力」にシフトしなければ世界と戦えないというジレンマも理解しています。それだけ今私たちが生きている時代というのは、「人権を守らなければならない」とは言うものの、それがどう実現されるのか、そのプロセスが全く見えない社会であると思います。

有元先生は「メディア・コミュニケーション・文化(以下、MCC)」で教えていらっしゃいますが、将来的に経営に携わるかもしれない私が「MCC」メジャーに興味を持つようになったきっかけは、「差別や人権侵害を生む文化はどう作られていくのだろう」という疑問を持ったことです。その根本を捉え、問題解決に向き合わなければ、私の理想とする企業の姿にはならないだろうと考え始めました。今では単に「企業を経営する」ということ以上に大切な価値観に出会うことができたと感じています。